風早翔太に学ぶ!モテる秘訣 ‹ 50 ›

12巻 episode 50. 大きな声で

このepisodeは、矢野あやねと吉田千鶴の二人が出会った当時を振り返る内容となっているため、風早はほとんど登場していません。
そのため女の子の性格や気持ちを考察する事も、モテるために役立つスキルになるとの期待から、彼女達にフォーカスして学んだところを書き記してみます。

矢野と吉田は今でこそ親友の間柄であるが、二人が出会った当時は全く仲良くなかった。
色気が有ってクールな矢野は、「 こんなきどった奴いねー 」と吉田から思われていたし、お転婆てんばで騒がしい吉田は、「 こんなバカっぽい奴いねー 」と矢野から思われていた。
どちらも「 気 ―― 合わなそ‼ 」と、相手に感じた初見しょけんの印象はまとていた。
当時の矢野は、気が強く見えて実は人見知りする事が多く、みずから積極的に話しかける性格では無かった。
それは彼女が中学生の頃、友達と思っていた周囲の者達から裏切られたために、人に不信感を抱く様になったのが始まりで、人付き合いに若干冷めた所が見受けられた。
また、彼女にはナンパされて付き合い始めた大学生の彼氏がいた事と、流行に敏感でおしゃれな容姿である彼女の振舞ふるまいは、周囲の者達に大人っぽくてクールだと思わせた。
その反面で、彼女には負けず嫌いな所が有り、かしこくて飲み込みが早く、ファッションや美容にも気を使い、化粧にピアスやネイル、そして髪に時間をかけた派手な容姿から、随分な男好きであるとも思われていた。
一方で、おてんば娘の吉田は、いつも大きな声で感情のまま素直に生きていた。
彼女は無神経で目立ちたがり屋な、自分をムードメーカーとでも勘違いしていそうなはた迷惑な存在に見えた。
彼女は活発であったが思慮しりょが浅く、男子達にも強気な姿勢が印象的だった。
しかし、実際の彼女も想像通りの人物では無かった。
ただ彼女はにぎやかで楽しい事が大好きなだけであり、騒いで人に迷惑をかけようとか威張ろうとか目立とうとかの悪意あくいは無く、ノリが悪いと感じただけで相手を非難する事も無かった。
ある日、そんな彼女は楽しい事でも思いついたのか、気が合わないと思っていた矢野に愛称を付けて呼び始めた。
「 やのちん 」
これからもっと女子力を高めてイイ女を目指していくつもりである矢野のイメージにそぐわぬ愛称に、彼女は初め抵抗したが、吉田はかまわず仲間になるあかしとして矢野に握手を求めた。
矢野は体育会系のノリで催促さいそくする吉田にためらいつつも、机にひじをついて差し出された右手を握ったのだが、握手であったはずが急遽きゅうきょ、彼女のノリに付き合わされて腕相撲に発展した
負けず嫌いな矢野は何度も腕相撲で対戦する羽目はめになり、まんまと自分の得意分野に誘い込めた吉田は全勝して大満足だった。
この真剣勝負をきっかけにして、二人は互いに随分と意識する様になった。
男子達が矢野をスケベな視点で語るものなら、吉田が矢野をかばう様に色気で張り合い、体育の時間が長距離走なら矢野は全力で吉田に張り合った。
吉田のこれまでの人生で、真正面から張り合っていどんで来た女子は矢野だけだった。
吉田は、周囲にクールと言われていながら本当は負けず嫌いな熱い素顔を隠し持っていた矢野と張り合えて嬉しかった。
長距離走の決着手前で息切れしてしまった二人は道端の草むらにへたり込むと、互いに文句と本音ををぶつけ合い、そして語り合い始めた。
どちらも悪目立ちしてしまう二人にとって、互いに理解が深まれば、居心地の良い関係を作るのは容易だった。
人見知りの治った矢野は、ここぞという時に役立つであろう体育会系の根性を身に着けた。
そして、吉田は何でも遠慮無く話せる心の友を手に入れた。
こうしてめでたく二人は、友情の証として「 ちづ 」「 やのちん 」と愛称で呼び合う仲となった。

ノリが悪いと感じただけで相手を非難しなかった。

    相手のノリが悪いのは、自分に原因が有ると考える。

吉田は何でも遠慮無く話せる心の友を手に入れた。

    思いやりが有る。

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