【オレンジ】
人工交配によって誕生したオレンジは、世界で最も多く栽培されている柑橘類となっています。
柑橘類の中でオレンジはビタミンCが豊富に含まれていますが、ジュースを飲む際には、ビタミンCの酸化し易い性質を考慮して、搾りたてを飲むのが良いとされています。
【グレープフルーツ】
「グレープフルーツ」という名は、果実がぶどう(grape)の房と同様に、木の枝に房状に実る事に由来しています。
この果物には甘味と酸味、そしてほのかな苦味が有りますが、果肉の白いものは酸味が際立ち、ピンクグレープフルーツのように果肉の赤いものは、甘味が強くなっています。
苦味の正体は「ナリンギン」というフラボノイドであり、脂肪の燃焼を促進する効果が有ります。
また、赤い果肉をしているグレープフルーツには「リコピン」という抗酸化物質が含まれており、老化を遅らせる効果が更に期待出来ます。
しかし、この果物を食べる際には知っておきたい注意点も有ります。
この果物に含まれている「フラノクマリン」という成分が、特定の薬の作用に影響を与える恐れが有るために、医療従事者から服薬中の方へ注意喚起されている点が挙げられます。
【レモン】
とても酸っぱい事で有名なレモンには、クエン酸が非常に多く含まれています。
そのためレモンは強い酸性を示し、pHは約2となっています。
クエン酸には疲労回復や新陳代謝の促進に効果が有り、健康維持に重要な役割を果たしています。
ビタミンCの含有量は柑橘類の中でトップクラスであり、100gあたり約100mg含まれています。
レモンの酸味は魚介類や鶏肉の料理の臭みを抑えるのに役立ち、ドレッシングやソース、マリネ液などの調味料にも使用されていて、新鮮ですっきりとした風味を加えるのに重宝されています。
【柚子】
いくつかの文化的な魅力を持つ柚子は、調理に使用される本柚子の他に、観賞用の花柚子としても知られています。
柚子は果汁と皮が調理の風味付けに使用されており、 和食では薬味として鍋料理や刺身などに添えられます。
また、柚子胡椒や柚子味噌などの調味料としても親しまれています。
柚子の皮にはビタミンCが100gあたり約160mgも含まれており、その強い抗酸化作用から美容と免疫力の向上が大いに期待されます。
また、皮には「ヘスペリジン」という成分も含まれており、これには血行促進効果が有ります。
冬至に「ゆず湯」に入る日本独自の文化は、この効果を利用した先人の知恵でしょう。
これは江戸時代に風習として全国に広まっていく際に起きた、「湯治」と「冬至」の語呂合わせに由来すると言われています。
冷え性で悩んでいる方は、日常のお風呂に取り入れてみると良いかもしれません。
柚子風呂の主な健康効果
- リラックス効果
リモネンやシトラールなどの香り成分からリラックス効果を得られます。 - 血行促進
- ヘスペリジンが血流を改善してくれます。
- 血行が良くなる事で、代謝が活性化し、疲労回復のサポートも期待出来ます。
- 美肌効果
- ビタミンCなどの抗酸化成分により、肌のターンオーバーを促進する効果を狙えます。
これにより、肌にハリとツヤが戻る可能性が有ります。 - 果皮に含まれる精油成分が保湿効果を発揮し、肌をしっとりと保ちます。
- ビタミンCなどの抗酸化成分により、肌のターンオーバーを促進する効果を狙えます。
- 風邪の予防
- 果皮に含まれる精油成分には抗菌作用も有り、風邪の予防に役立ちます。
【かぼす と すだち】
かぼすの主産地である大分県では、刺身や鍋料理の他、焼き魚やうどんなどにも広く使われています。
酸味が強い果汁と独特の香りが特徴で、調味料として使われることが多く、特に寿司酢やドレッシングの材料にすると、爽やかな香りと酸味の効いた料理にする事が出来ます。
徳島県を主産地とするすだちは、その名に酢橘(すだち)「酢になる橘」という意味が込められていて、酢に代用される事が有ります。
すだちはかぼすに比べて小ぶりで香りが強く、果皮にはビタミンCが100gあたり約110mgも含まれています。
熟して果皮が黄色くなるにつれて香りが損なわれてしまうため、購入する際には出来るだけ緑の濃いものを選びます。
かぼすとすだちの共通点
- 種が健康に良い!
種には食物繊維の一種であるペクチンが含まれており、整腸と美容の効果が期待出来ます。 - 日本の食文化に欠かせない
秋の食材と相性が良く、「秋刀魚の塩焼き」や「松茸の土瓶蒸し」などに添えられます。
両者とも、クエン酸とビタミンCが豊富な柑橘類であり、脂肪の燃焼を助けて、アンチエイジング効果も期待出来ます。
また、豊富な香り成分「リモネン」からは食欲増進効果も得られるでしょう。
更に、かぼすに含まれている成分「オーラプテン」には、抗がん作用が有る事が知られています。
【蜜柑】
手軽に食べられる果物として人気の高い蜜柑は、日本で最も親しまれている果物の一つになっています。
家庭で寛ぐ時に登場するこたつと蜜柑の組み合わせは、昭和時代にテレビの普及に伴って全国的に広まった、日本の冬の風物詩として知られています。
蜜柑には、骨の形成を促進する効果の有るβ-クリプトキサンチンが豊富に含まれています。
【柑橘類の主な美容・健康効果】
ビタミンCの強力な抗酸化作用がシミやシワの予防に役立ちます。
白い筋には食物繊維やペクチンが豊富に含まれており、整腸作用や美容効果が有るだけではなく、ノビレチンという認知症予防に効果的な成分も含まれています。
また、柑橘類の皮には様々な用途が有り、洗浄や防虫対策、更にはアロマテラピーに使用される事も有ります。
これは、皮に含まれている精油成分であるリモネンから、油汚れを落とす効果や虫を寄せ付けない効果、そして甘酸っぱく爽やかな香りがもたらすリラックス効果を狙っています。
酸味と甘味を併せ持つ柑橘類は、多くの食材と相性が良く、料理を味わい深くします。
最後に、柑橘類と相性の良い料理の例を紹介致します。
柑橘類を使った料理例
1.魚介類
- 白身魚やサーモン
レモンやライムの酸味が魚の臭みを消して、旨味を引き出してくれます。
カルパッチョやグリルした魚におすすめ。 - エビやホタテ
オレンジやグレープフルーツの甘酸っぱさを加えると、爽やかな味わいになります。
サラダやマリネにおすすめ。
2.鶏肉と豚肉
- 鶏肉
オレンジやレモンを使ったソースやマリネは鶏肉に合います。
爽やかな風味が加わり、鶏肉の持つ臭みとくせを抑えます。 - 豚肉
グレープフルーツと柚子の酸味は、豚肉の脂身の味を引き締めてバランスの良い味に仕上げてくれます。
3.サラダと野菜
- 葉物野菜
柑橘類の新鮮な風味は、ルッコラやホウレンソウ、ケールなどのサラダによく合います。
オリーブオイルと組み合わせたドレッシングがおすすめ。
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