
一部の文化圏を除き、レバーは世界的に見ても栄養価の高い伝統食材として大切に扱われています。
肝臓として代謝の中心的な役割を担っているレバーは栄養が豊富なため、非常に多方面に健康効果が期待できます。
🌟期待できる健康効果
✅鉄
とても豊富な鉄が、体中に酸素を運ぶ赤血球の材料になります。
疲労感や倦怠感、集中力や思考力の低下をを抑えて貧血を予防します。
✅亜鉛
新しい細胞を作るためには必須のミネラルで、皮膚や髪まで健康にしてくれます。
免疫機能の向上に貢献してくれます。
味覚を感じる細胞に働きかけて、味覚の維持に役立ってくれます。
✅銅
赤血球に含まれているヘモグロビンの合成に必須のミネラルで、貧血予防に役立ちます。
免疫細胞の代謝能力に関わるため、免疫力を高める効果も期待できます。
活性酸素を消去する酵素を構成するミネラルであり、動脈硬化の予防にも効果があります。
✅セレン
抗酸化作用を持つミネラルで、体内の細胞を酸化から守り、老化や病気の予防に役立ちます。
甲状腺ホルモンの活性化にも関与し、代謝を促す効果も期待できます。
✅ビタミンA
眼、肌、粘膜の健康を維持し、免疫力を高めます。
✅ビタミンB2
エネルギーの生産に関わり、糖質、脂質、タンパク質の代謝を助けています。
皮膚や粘膜、髪、爪などの細胞の再生を促して健康を維持します。
✅ナイアシン
ビタミンB群に属する水溶性ビタミンで、体内に存在する酵素の働きを助けます。
✅ビタミンB6
たんぱく質の分解と合成に関わるアミノ酸の代謝を助けます。
神経伝達物質の合成に必要で、神経の働きを正常に保ちます。
免疫細胞の活性化や抗体の合成に必要で、免疫機能を維持します。
赤血球内にあるヘモグロビンの合成に関わり、貧血予防に役立ちます。
✅ビタミンB12
赤血球の生成に使われるため、貧血の予防に役立ちます。
末梢神経の構成成分を増やして神経を修復する作用があります。
✅葉酸
赤血球を作るビタミンで、貧血予防に役立ちます。
動脈硬化の予防に役立つ可能性があり、心血管疾患のリスクを低減します。
✅パントテン酸
エネルギーの生産に関わり、糖質、脂質、タンパク質の代謝を助けています。
副腎皮質ホルモンの合成に関わり、ストレスを軽減する効果があります。
血中のコレステロールを低下させ、動脈硬化の予防に役立ちます。
肌や頭皮の健康を保つ働きがあり、肌荒れに抜け毛や薄毛の改善にも期待できます。
✅ビオチン
エネルギーの生産に関わり、糖質、脂質、アミノ酸の代謝を助けています。
皮膚や粘膜、髪、爪などの細胞の再生を促して健康を維持します。
🍽️ 食べる際のポイント
鶏レバーと豚レバーには、ビタミンAが非常に豊富に含まれています。
ビタミンAの過剰摂取は、吐き気、頭痛、めまい、皮膚のトラブル、肝機能障害、骨や関節の異常など、健康に被害を及ぼす可能性があるため、特に妊婦は摂り過ぎに注意しなければなりません。
健康のためには、レバーを毎日食べるのではなく週に1~2回程度が理想的でしょう。
” たった一口で何十種類もの栄養素が摂れる“天然のサプリメント ”
レバーには、私達の身体を健康的に維持するための栄養が、ぎゅっと詰まっていますが、
「 クセが強い 」
「 なんだか見た目が苦手 」
「 昔食べたけど、美味しくなかった 」
このように、レバーが苦手で抵抗感のある人もいらっしゃるのではないでしょうか。
でも実は、下処理や調理法によって驚くほど風味が優しくなります。
例えば、鶏レバーを生姜や味噌で煮込むと臭みがグッと抑えられ、
まるで上品な和惣菜のような味わいに化けてくれます。
豚レバーを甘辛く炒めて、ごはんに乗せれば、
「 えっ、これがレバー? 」
と驚く人も少なくありません。
「 レバーは苦手だけど、こんな食べ方ならいけるかも 」
そう思ってもらえるように、本項ではレバーが苦手な人へ向けた物語を用意致しました。
これが、レバーを“ 見直す ” 機会になれば幸いに存じます。

リュウくんと
お母さんのまほうのレシピ
むかしむかし、
あるところに、元気いっぱいの男の子、リュウくんがいました。
リュウくんは、走るのが大好き、虫をさがすのも大好き。
だけど ―― たったひとつ、大の苦手なものがありました。
それは ・・・・・・ お勉強 ・・・・ ではなく、なんと、レバー。
「 レバーなんて、くさいし、ヌルヌルしてるし、きらい! 」
お母さんが夕食用にとレバーを取り出すと、お腹をすかせて外から帰ってきたリュウくんはふくれっつら。
でもその時、お母さんはそっとリュウくんに言いました。
「 リュウ、知ってる?
レバーには元気のもとがたっぷりあるのよ。
ほら、おひさまのように体をピカピカにしてくれるビタミンとか、
赤くて元気な血を作ってくれる鉄分とか、いっぱいつまってるの。」
「 ええ〜、でも ・・・・・・ まずいものはまずいもん。」
「ふふ、じゃあ今日は、お母さんがちょっと魔法のレシピで作ってみようか。」
そう言って、おかあさんは台所で何やらごそごそと始めました。
玉ねぎをじっくり炒めて、レバーをミルクでくさみをとって、
甘辛いタレにしょうがとかくし味をちょっぴり。
そして数分後、できあがったのは ――
✨ レバーのやわらかふわふわ甘煮 ✨
「 わ! これ、レバー? においがしない! 」
おそるおそる、口に運んだリュウくん。
「 ・・・・・・ ん? あれ? これ ・・・ おいしいっ! 」
お母さんは、にっこりと笑いました。
「 これが、レバーくんのほんとうの美味しさなのよ。」
その日からリュウくんは、すこーしずつ、レバーと仲良くなっていきました。
「 レバーって、まほうのごはんなんだね! 走るのも早くなった気がするよ! 」
「 そうでしょ。 食べものは、見た目ではわからない力を持っているの。
ちゃんと食べるってことはね、レバーくんと体にありがとうって伝えることなのよ。」
お母さんの料理と話に感動したリュウくん。
それからリュウくんは、お友だちにこう言うようになりました。
「 レバー? きらいだったけど、うちのお母さんのレバーは、ぜったいおいしいよ! 」
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