味噌〚miso〛

和食文化を育んできた、長い歴史を持つ味噌は、ただの調味料ではありません。
味噌は、原料や製法によって様々な種類に分類され、米味噌、麦味噌、豆味噌、調合味噌などがあります。
また、それにより生じる味や色の違いによる分類もなされています。

味噌は現在、海外の健康志向層からスーパーフードとして注目されています。
MISO soup is good for your gut !
といったキャッチコピーで、アメリカや欧州のナチュラルフード店でも売られているんですよ。

原料が発酵する過程では様々な栄養素が分解されて、体に吸収されやすい状態になっています。
この発酵から生じる栄養成分が豊富であり、体に優しく元気を与えてくれます。

🌟期待できる効果

こうじ菌・乳酸菌・酵母菌

  • 味噌は麹菌や乳酸菌、酵母菌などの有用な菌が働いて作られます。
    醸造の最終段階において加熱処理されていない商品(生味噌)は菌が生きているため、腸内細菌そうの改善に効果的でしょう。
    体内最大の免疫器官である腸が整うと、便通の改善によって免疫力の向上や美肌効果が期待でき、メンタルの安定にもつながります。

✅ イソフラボン

  • 味噌の原料である大豆から由来するイソフラボンが豊富に含まれています。
    女性ホルモン「エストロゲン」と構造が似ていて同様の働きをするため、中高年層の女性が若々しさや美しさを保つ上で役立ちます。

「 イソフラボンって、男性が摂っても大丈夫? 」と心配される方もいますが、サプリによる過剰摂取でない限り心配いりません。
イソフラボンはエストロゲンよりはるかに作用が弱いため、通常の食事での摂取では、体内のホルモンバランスに悪影響を与える事はほぼありません。

✅ サポニン

  • 大豆に多く含まれているイソフラボンやサポニンには抗酸化作用があるため、細胞の老化を防止します。

✅ レシチン

  • 大豆に多く含まれているレシチンは、アセチルコリンという神経伝達物質の素になります。
    アセチルコリンは、記憶力・学習能力・集中力などに関わっており、加齢による脳機能低下の予防に役立つとされています。
  • レシチンには脂質を乳化する働きがあり、血中の余分な悪玉(LDL)コレステロールの蓄積を防ぐとされています。
    これにより、動脈硬化や心血管疾患のリスク軽減につながる可能性があります。
  • レシチンは肝臓での脂質の代謝を助け、脂肪の蓄積を抑える働きがあります。
    そのため、脂肪肝や肝機能低下の予防に効果的とされています。
  • レシチンは体内の全ての細胞の細胞膜を構成する重要な物質であり、細胞の柔軟性を保って新陳代謝を支えます。

レシチンは、味噌の中でも特に豆味噌に多く含まれています。

✅ メラノイジン

  • 味噌が熟成する過程でメラノイジンという褐色の成分が作られます。
    この成分は強い抗酸化作用を持ち、老化や生活習慣病の原因となる活性酸素を除去します。

✅ 脂肪酸エチル

  • 発酵により生成される脂肪酸エチルが、乳癌や胃癌のリスクを下げる可能性があります。

🍽️ 若さと健康長寿に ” 好ましい ” 味噌の選び方

  1. 天然醸造の味噌
    時間をかけて自然に熟成させた味噌で、人工的な温度調整を行っていません。
    発酵の力がしっかり効いていて、豊富な栄養成分と風味が活きています。
    大量生産された安価な味噌の場合は、発酵期間を短くした人工的な方法を用いているため、価格は魅力的でも健康効果はやや限定的になります。
  2. 色の濃い味噌
    長期熟成された色の濃い味噌(赤味噌や八丁味噌など)は、抗酸化物質「メラノイジン」が多く含まれています。
  3. 生味噌
    生味噌には人体に有益な菌が生きているため、効率的に健康効果を得られます。
    味噌汁を作る際には、具材の加熱調理を済ませた後で、70℃前後に下がってから味噌を溶くと、生きた菌を摂取できます。
    余った生味噌は、発酵の進行を抑えて風味を保つために冷蔵保存しましょう。


味噌クイズ 】
あなたはどこまで知ってる?
発酵のチカラで若く健康に!

今回は、ちょっと趣向を変えて、味噌についてのクイズに挑戦してみませんか?
味噌の魅力を知れば、毎日の健康的な食事がもっと楽しくなりますよ✨

Q1. 味噌の原料として「使われていない」ものはどれ?

A. 大豆
B. 米
C. 小麦
D. トウモロコシ

正解:D. トウモロコシ

味噌の主な原料は「大豆」と、そこに加える「米」や「麦」。
トウモロコシ味噌は一般的には存在しません。

Q2. 味噌に含まれる乳酸菌は、主に体のどこに良い?

A. 肝臓
B. 腸内環境
C. 心臓
D. 骨

➤ 正解:B. 腸内環境

生きた乳酸菌が腸内の善玉菌を助けて、免疫力の強化や美肌につながります。

Q3. 「赤味噌」と「白味噌」の一番大きな違いは?

A. 使っている豆の品種
B. 色付けのための着色料
C. 発酵の期間
D. 食べる地域

➤ 正解:C. 発酵の期間

味噌の醸造過程において、熟成が進むほど色が濃くなります。
白味噌は発酵期間が短く、赤味噌は長期間発酵させて作られます。
長熟タイプには、より多くの抗酸化物質(メラノイジン)が含まれています。

Q4. 味噌が「戦国時代」に使われていたのはどんな理由?

A. 兵の防寒用
B. 食料保存と栄養補給のため
C. 味噌玉で敵を攻撃
D. 味噌で薬を作るため

➤ 正解:B. 食料保存と栄養補給のため

味噌は常温でも保存でき、栄養も豊富な事から戦国武将たちの軍糧として活躍しました。

Q5. 生味噌の保存に向いていない条件として誤っているのは?

A. 高温多湿な場所
B. 冷蔵保存
C. 密閉せずに空気にさらす
D. 紫外線のあたる窓辺

➤ 正解:B. 冷蔵保存

菌が生きているため、直射日光や空気は避け、密閉・冷蔵を基本にしましょう。

Q6. 一般的に「甘口」とされる味噌は、どのような特徴がありますか?

A. 塩分が高く、発酵期間が長い
B. 米麹が多く使われ、塩分が低い
C. 大豆が少なく、色が黒い
D. 甘味料が加えられている

➤ 正解:B. 米麹が多く使われ、塩分が低い

甘口味噌は、米麹をたっぷり使い、塩分が抑えられていて、まろやかな甘みが特徴。
信州みそや白味噌に多く見られます。

Q7. 長期熟成された味噌ほど、どのような味になりやすいでしょう?

A. フルーティーで爽やか
B. 深みのあるコクと旨味が強い
C. スパイシー
D. 甘みが非常に強い

➤ 正解:B. 深みのあるコクと旨味が強い

熟成期間が長くなると、アミノ酸や有機酸が増え、濃厚で複雑な味になります。
赤味噌に多く見られます。


いかがでしたか?
知れば知るほどまだ奥の深い味噌には、体を整え、心までほぐす「発酵の知恵」が詰まっています。
味噌は、「色が濃い=味が濃い」とは限らない

     麹の量と種類で甘さや香りが変わる

     熟成期間が味の深みに影響する   ということでした。

これからは、自分の求める味噌に出会い易くなりました。
次回に食事で味噌を摂る際には、ぜひ「味噌の話」を思い出してみて下さいね。

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