25巻 episode 103. けんか
手を取り合い、大切な未来のために、進学先を深く考える事にした黒沼。
教師を目指しているのなら、教育大や教育学部を視野に入れそうではあるのだが・・・。
「 ちゃんと 考えるから ・・・ 大学のこと 」
「 うん
きっと ・・・ そんなに難しいことじゃないよ
黒沼はさ
自分で決めたことを いつもやってるでしょ
だから大丈夫! ・・・ ひとりでも大丈夫
なんか不安があるならさ ・・・ 言えばいーのに 」
彼女は風早の話を聞いて、違和感を覚えた。
難しいことじゃ ・・・・・・・・・・・・
ひとりでも ・・・・・・・・・・・・ ?
「 どうして もう決めたみたいに言うの ・・・・・・?
や ・・・ やっぱり難しいよ! 簡単じゃないよ ・・・・・・
風早くんは 私が教育大に行けばいいと思ってるの ・・・・・・? 」
「 ・・・・・・・・・・・・
・・・ だって もう決まってるじゃん 」
「 〰〰〰・・・ え ・・・ ええ 〰〰〰・・・?
ど ・・・ どうして ――?
あの ・・・ えっと ・・・
今ね これから向き合おうと ・・・ 」
「 行きたそうに見えたよ?
だから勉強だってやる気になってたんでしょ? 」
「 あの ・・・ それは ・・・ 」
「 俺は 黒沼が決めたところに行けばいいって思ってんの! 」
「 ・・・・・・ ・・・ だから ・・・ まだ! 決めてないの‼
勉強は ・・・ やるのが日課だったの!
朝 会うのやめようって言ったのは ・・・ 風早くんが心配だったの!
私は ずっと風早くんと同じ大学に行こうと思ってたよ!
・・・・・・・・・ だって怖くて
みんな ばらばらになっちゃう いつまでも このままでいたいのに ・・・
誰とも ・・・ 離れたくないよ 風早くんと 離れたくないよ
私の大事なひとが ・・・ みんな みんな いなくなっちゃう ・・・・・・ 」
「 ―――――
だから! なくならないんだってば‼
大丈夫なんだってば‼
・・・ 離すつもりなんか ないって言ってんじゃん
「 別れる 」って黒沼思ってんの?
俺が信用できない? みんなが信用できない? 」
この様な展開になると、もうなかなか話が収束しない。
先が良く見えていて、語気を強めてしまった風早と、今を大切に生きている黒沼が、まさかの口論を始めてしまった。
恋人がいても、お構い無しにモテる風早だから、大学に行ってもモテるに決まっている。
それ故に、彼女が彼と別々の大学へ進学する事を恐れる気持ちは理解出来る。
それについて彼は、気移りや浮気どころか、心変わりもしないと宣言したも同然であった。
彼女のためなら遠距離恋愛も厭わない考えを示したのである。
人を欺く性格では無い。
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