風早翔太に学ぶ！モテる秘訣 ‹ 8 ›

噂の問題が解決し、黒沼は矢野や吉田との仲を取り戻した。
それどころか、この件を乗り越えた３人には友情が芽生えることになった。
ある土曜日の夜 ―――
彼女達は、この地域で有名な美味しいラーメンを食べに行った。
その美味しいと評判のラーメンを作っている店は、なんと、吉田の幼なじみである真田 龍の家である。
店の主人は、よく食べに来てくれる吉田が連れて来た彼女達もまた、息子の友達だと知ると、彼女達を気前よくもてなして、美味しい料理と楽しい会話に彼女達の心が弾んだ。
それから彼女達は勘定かんじょうを済ませると、龍の部屋に上がってくつろいだ。
　　　　　笑い声　　　　　にぎやかな場所　　　　　だいすきな友達
　　　　　私 ･･････　　　一緒にいても　いいんだなあ ･･････
会話の流れで風早を呼ぶことになった黒沼は、飛び入り参加した彼を含めて楽しく過ごした。

　　　　　友達とすごす　土曜の夜は
　　　　　自分がこの場にいるなんて信じられなくて
　　　　　ドキドキしてるのに居心地がよくて
　　　　　みんな笑ってて　すごく嬉しかったな
「　おじゃましました ――！　」
「　あ！　俺もコンビニ寄るからそっち方向！　」
「　よっ　　たのむよ ジェントルメン！　」
「　しっかりな　ジェントルメン！　」
見え透いた口実を作った風早の思考は、吉田と矢野に読み取られていた。
｟　･･････ 楽しかったなあ ･･････　｠
「　･････････ 私　　この高校で よかったなあ
　　みんなと同じ高校で よかったなあ　　　　」
「　････････････　それ　俺もちゃんと入ってる？　」
「　もちろん‼　　風早くんがいなかったら 人生違ってたよ‼　」
「　あはははっ　　そりゃ大ゲサだ！
　　ごめん ごめん　　ちょっと すねてみただけ！　」
「　すね ･･････？　」
「　･･････ 嘘。　　ほんとはちょっと 安心したかっただけ！　」
　　　　　見たことがない中学時代のかおも
　　　　　初めて見たかおも
　　　　　･･･ 今日は少しだけ　しらない風早くんをのぞけたかな？
　　　　　なんだかうれしいな
　　　　　きっと　これからはじめて見るかおも
「　風早くん　コンビニで何買うの？　」
「　･･････････････････　　に。
　　ん ――　　　なに買おっかな？　」
「　え⁉　　　あれ ･･･⁉　　？　？　」
コンビニに寄るのは黒沼と一緒に帰りたいからなのに、彼女は全く気付いていない。
彼はにんまりと笑って、今から考えてみせた。