貝類〚shellfish〛

古来より命の恵みを大切にしてきた日本では、貝もまた私達の食卓に欠かせない海の幸として大切に扱われてきました。
たんぱく質が豊富で低カロリーな貝類は現代の健康志向にも適した食材であり、私達の若々しさと健康を保つための栄養が中に閉じ込められています。

【効果】

非常に豊富なタウリン

  魚介類に多く含まれているタウリンは、中でも貝類に最も豊富に含まれている栄養成分であり、多くの健康効果が期待出来ます。

  1. 心臓の働きを強化して、血圧を正常に保ってくれます。
  2. 肝臓の機能が向上されることによりコレステロールの代謝が改善される結果、胆汁酸の合成が促進されて消化が良くなります。
  3. 眼の網膜の健康維持に関わり、眼の疲れを軽減してくれます。
  4. 筋肉に溜まった老廃物を除去して筋肉の疲労回復に役立ち、脂肪の燃焼効率を高めて活発な運動のサポートもしてくれます。

以下に、健康長寿に寄与する貝をいくつか紹介致します。

牡蠣かき

日本では「真牡蠣まがき」と「岩牡蠣いわがき」が主に食べられています。
旬は真牡蠣が海水温の低い季節、岩牡蠣が高い季節とされています。
日本国内でも地域ごとに味わいが違い、特に、夏期に訪れる産卵のために栄養を蓄えている牡蠣が美味とされています。

とても豊富な亜鉛
  新しい細胞を作るためには必須のミネラルで、皮膚や髪まで健康にしてくれます。
  体内に存在する老化物質である活性酸素の除去に関与しています。
  免疫機能の向上に貢献してくれます。
  味覚を感じる細胞に働きかけて、味覚の維持に役立ってくれます。

とても豊富な銅
  赤血球に含まれているヘモグロビンの合成に必須のミネラルで、貧血予防に役立ちます。
  免疫細胞の代謝能力に関わるため、免疫力を高める効果も期待できます。
  活性酸素を消去する酵素を構成するミネラルであり、動脈硬化の予防にも効果があります。

豊富なビタミンB12
  赤血球の生成に使われるため、貧血の予防に役立ちます。
  末梢神経の構成成分を増やして神経を修復する作用があります。

《 ホタテ 》

ホタテの一大生産地である北海道では、寒冷な環境を好むホタテの漁業が盛んに行われています。
旬は餌を盛んに食べて成長する夏期と、産卵に備えて生殖巣を発達させる冬季に分かれてます。

ホタテの身には、「貝柱」「ヒモ」「生殖巣」「えら」「ウロ(中腸腺)」があります。
この内、黒色の部位「ウロ」は食べられないため調理前に取り除いて下さい。
刺身、バター焼き、炊き込みご飯など、人気の料理で美味しく頂きましょう。

ビタミンB群
  エネルギーの代謝を助けて、脂肪を燃やし易くしてくれます。

ホタテは泳ぐ⁉

普段は海底で静かに暮らしているホタテですが、貝殻をパカパカと素早く開閉させて海水を勢いよく噴き出しながら海中を移動することが出来ます。
まるでジェット推進のように移動するこのユニークな行動は、主に捕食者から逃げる場合に見られます。
このような緊急時に頼りになるのが、ホタテの持つ特殊な視覚システムでしょう。
ホタテの目は非常に特殊であり、一つのホタテに約60個もの小さな青い目があります。
これらの目は貝殻の縁に沿うように並んでおり、外部の動きを光と影の変化によって感知しています。
ただし、人間のように鮮明な映像を見ているわけではなく、主に光の変化を感知しているにすぎません。

《 あさり 》

あさりは砂の中で暮らす二枚貝で、潮の満ち引きによって形成される干潟や浅い海域に多く生息しています。
貝類の中でも特にあさりには、旨味成分であるコハク酸が多く含まれています。
旬は産卵期を前に栄養を蓄えて身入りが良くなる時期であり、産地により異なります。

豊富なビタミンB12
  赤血球の生成に使われるため、貧血の予防に役立ちます。
  末梢神経の構成成分を増やして神経を修復する作用があります。

《 しじみ 》

しじみは淡水と海水が入り混じる汽水域に生息する二枚貝であり、日本では特に味噌汁の具材として親しまれています。
しじみの旬は、産卵のために身が肥える夏期と、旨味が凝縮される冬季とされています。

とても豊富なオルニチン
  有害物質であるアンモニアを肝臓で解毒してくれます。
  肝臓の働きが改善されて疲労からの回復が早くなり、二日酔いの緩和も期待されています。

豊富な鉄
  酸素と二酸化炭素を運搬するヘモグロビンの構成成分として赤血球に多く存在しています。
  疲労からの回復と、貧血予防に役立ちます。

とても豊富なビタミンB12
  赤血球の生成に使われるため、貧血の予防に役立ちます。
  末梢神経の構成成分を増やして神経を修復する作用があります。

豊富なビタミンB2
  ほとんどの栄養素の代謝に関与しています。
 生命活動に必要なエネルギーを生み出し、細胞の成長と増殖・再生を促進します。

【好ましい食べ方】

煮たり焼いたり生で食べたりと美味しい貝類ですが、その食材に適した調理方法で安全に美味しく頂くにはいくつかのポイントを押さえる必要があります。
適切に扱わなければ食中毒の恐れや品質トラブルの危険性などが考えられるため、 ここでは貝類を安心して頂くためのポイントをお伝えします。

まず、水温が高い時期には細菌が繁殖し易く、この時期に獲れた貝は特に注意が求められます。
牡蠣などの二枚貝を生で頂く場合にはノロウイルスのリスクが潜んでいるため、必ず「生食用」と表示されているものを選びましょう。
「加熱加工用」と表示されているものは、必ず十分に火を通します。

また、貝類には砂抜きが必要な種類が多く、種類ごとに適切な方法で下処理してください。
この「砂抜き」という下処理は、砂と不純物を吐かせて食感と味を引き立てる目的があります。

さらに、産地にも気を配りましょう。
生鮮食品には産地偽装問題が過去にしばしば報告されており、特に安い商品や見慣れないブランドには注意しなければいけません。
例えば、外国産あさりを日本の海で一時的に養殖し、「国産」として販売するケースがあります。
そのため、信頼できる業者や店舗、直売所、ブランドを購入するのが安心ですね。

最後に、保存方法にも工夫しましょう。
その貝類に適した環境下で保存し、購入後は生きている新鮮なうちに調理して頂きましょう。

[ 広告 ]

タイトルとURLをコピーしました