
髭のように見える触覚と、体を丸めた時の姿勢から、老人を連想させる海老。
この生き物は、日本では長寿を象徴する食材として、お祝いの席やおせち料理によく使用されています。
そこには、
「腰が曲がるほど長生き出来ます様に」
という人々の願いが込められています。
実際に、海老には若さと健康に良い特徴的な栄養素が含まれています。
海老は種類が豊富であるため、ここでは安価でありながらも高い健康効果を狙える海老をいくつか紹介致します。
【効果】
- 高タンパク・低脂肪
海老は脂肪が少なくて良質なたんぱく質に富んでいます。
たんぱく質は複数のアミノ酸が複雑に組み合わさって成り立っており、消化器官でアミノ酸に分解されてから体内に吸収されます。
アミノ酸は体を作る材料となるため、筋肉の維持や代謝を向上させるなど、生き生きとした体を維持するのに役立ちます。
また、体の機能を調整する酵素や、菌やウイルスから身体を守る抗体もアミノ酸で作られており、免疫力の維持にも役立っています。
さらに、海老の旨味成分の一つであるグリシンというアミノ酸は、睡眠の質を改善する効果が期待されており、睡眠サプリなどにも取り入れられています。 - タウリン
海老にはタウリンも含まれています。
アミノ酸の一種であるタウリンには、心臓の働きを強化して血圧を正常な値に保ってくれる働きがあります。
筋肉に溜まった老廃物を除去してくれたり、脂肪の燃焼効率を高めてくれたりして、活発な運動のサポートもしてくれます。
その他には、肝臓の機能を高めて疲労回復につなげる効果もあります。 - アスタキサンチン
海老には強力な抗酸化作用を持つ赤色の色素「アスタキサンチン」が豊富に含まれており、以下の様な健康効果が研究で示されています。
- 老化の防止
ビタミンCの約6000倍の非常に強い抗酸化力があり、活性酸素から細胞を守ります。
紫外線からの保護効果があり、シミやしわを予防できる可能性があります。 - 眼の健康を維持
網膜や水晶体を酸化ストレスから保護します。
眼精疲労の軽減や、近視の進行を抑制する効果が期待されています。 - 運動能力
筋肉の疲労回復を促進します。
持久力の向上に役立つ可能性があります。 - 脳機能への効果
記憶力や認知機能の維持に役立つ可能性があります。
脳の血流が改善される効果が示唆されています。
- カルシウム
海老の殻や尻尾にはカルシウムが豊富に含まれています。
カルシウムは骨や歯を作る材料となる他に、神経を安定させる効果や、出血時の血液凝固を促進する効果などがあります。
カルシウムが不足すると骨から溶け出して供給されてしまうため、出来れば殻や尻尾も摂取して、骨粗鬆症の予防につなげましょう。 - 関節の健康を維持
殻や尻尾には豊富な「グルコサミン」に加えて「コンドロイチン」も含まれています。
これらの栄養素が関節にある軟骨の再生に役立ち、関節の動きを滑らかにしてくれます。
《 牡丹海老 》

牡丹の美しい花に準えられた海老。
市場では、日本産のトヤマエビ、カナダ産のスポットプラウンも牡丹海老として扱われています。
殻や尻尾も食べて抗酸化作用&美肌効果を狙いましょう。
《 車海老 》

暖流の内湾海域に生息している海老。
遊泳能力が高くて跳躍力もあり、夜間は活発に活動しています。
この海老には、タウリンが多く含まれているため、高タンパク&タウリンの効果で健康的な体づくりを目指す人にお勧めします。
《 甘海老 》

正式名称はホッコクアカエビ。
寒冷の深海に生息しているこの海老は、柔らかくて消化し易いため、胃腸が弱い人や高齢者、お子様にもお勧めします。
《 桜海老 》

駿河湾の特産である桜海老。
とても小さな海老ですが、簡単に丸ごと食べられるため栄養素を余すところなく摂取出来ます。
色々な料理に加えて味に深みを出すことが出来ます。
【好ましい食べ方】
海老の頭部や殻と尻尾には、アスタキサンチンやカルシウムが豊富に含まれています。
そのため、海老の栄養素を上手く摂取するためには、これらの部位を捨てるわけにはいきません。
これらの部位には硬かったり尖っていたりする箇所がありますが、工夫次第で安全に美味しく頂く事が出来ます。
これらの部位をオーブンや乾煎りで焼いた後、ミキサーで粉砕すれば海老粉になります。
これを、ふりかけの材料や炒め物の調味料として使用するだけで、料理に深みを与えて風味豊かに美味しく頂けます。
また、これらの部位を煮込んで出汁を採って、スープや味噌汁に利用するのも海老の栄養素を上手に摂取する良い方法でしょう。
アスタキサンチンは脂溶性のため、油と一緒に摂取する事をお勧めします。
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