鮪〚tuna〛

まぐろの消費大国である日本では、鮪を刺身や寿司、漬けに缶詰など様々な形で消費しています。
刺身や寿司で主に食べられているのは「クロマグロ(本マグロ)」や「ミナミマグロ」などであり、缶詰には「キハダマグロ」や「ビンナガマグロ」が一般的に使用されています。

鮪の中でもクロマグロは高級魚として特に人気が高く、高値で取引されています。
鮪には様々な部位があり、中でも「大トロ」や「中トロ」は脂が乗った部位として高価である他、目玉周りや「ほほ肉」、「カマ」などの希少な部位も、料理人やグルメ愛好家に人気があります。
鮪は高タンパク・低カロリーですが、脂身にはオメガ3脂肪酸(EPAやDHA)が大変豊富に含まれています。

   ホンマグロ ホンマ

鮪は、常に泳ぎ続ける魚として知られています。
泳ぐことで口から海水を取り込み、えらを通して酸素を体内に取り入れています。
泳ぎを止めると酸素を供給出来なくなり、生きていけません。
このように泳ぎ続けるために進化した体は、水の抵抗が最も小さくなる流線型をしていて、尾びれが強力な推進力を生み出す構造をしているため、時速80キロ以上の驚異的な速度で泳ぐ事が出来ます。
更に、赤身の筋肉には、「ミオグロビン」という酸素を貯蔵するための赤色のたんぱく質が豊富に含まれています。
鮪の身が赤いのはミオグロビンが原因であり、血液の色ではありません。
このミオグロビンは長時間の激しい運動にも耐える事を可能にし、鮪が地球規模で高速回遊出来る理由の一つとなっています。
実際に、鮪は数千キロにわたって回遊する事が知られています。
中には太平洋を横断して日本からアメリカ西海岸まで泳ぐ個体も確認されています。
また、殆どの魚が外温性であるのに対し、鮪は筋肉や内臓の温度を海水よりも高く保つ事が出来ます。
この特性により、寒冷な水域でも活発に泳ぎ回り、広範囲で獲物を探し続けることが可能となっています。
これらの特性が合わさり、鮪は美味しくて健康的な水産物として人気があるだけではなく、その生態においても非常に興味深い存在となっています。

【効果】

  • 心血管疾患の予防
    鮪に含まれているオメガ3脂肪酸(EPA、DHA)が、血液中の中性脂肪を減らして動脈硬化や心筋梗塞、脳卒中などのリスクを軽減します。
  • 抗炎症作用
    EPA(エイコサペンタエン酸)には、体内の炎症を軽減する効果が有ります。
    これにより、慢性炎症を原因とするリウマチや、アレルギー性疾患などの症状の緩和が期待されます。
  • 脳機能の向上
    DHA(ドコサヘキサエン酸)には、脳の認知機能を高めたり記憶力や集中力を高めたりする効果が有ります。
  • 貧血予防
    鮪には鉄分が多く含まれており、赤血球の生成を助けるため、貧血予防に役立ちます。
  • 高タンパクで筋肉をサポート
    鮪は良質なたんぱく質を多く含み、筋肉の成長や維持をサポートします。
    筋肉量を保つことは基礎代謝の維持や体力の向上に役立ちます。
  • 抗酸化作用
    鮪にはセレンというミネラルが多く含まれており、強力な抗酸化作用を持っています。
    これにより、体内の活性酸素を除去し、細胞の老化を抑えることができます。

【好ましい食べ方】

鮪のような食物連鎖の頂点に立つ大型魚は、水銀などの重金属が多量に体内に蓄積している可能性が有るため、食べる際には1週間当たり80g程度にとどめて適量を守る事が大切になります。
特に、妊婦であれば、お腹の胎児に悪影響を与える可能性が有るため、食べるのを控えた方が良いでしょう。

刺身や寿司: 生で頂く事で、EPAやDHAを効率的に摂取出来ます。
漬け: 醤油やみりんで軽く漬ける事で旨味を引き出し、栄養を損なわずに楽しめます。
グリルやソテー: 少量のオリーブオイルやレモンを使えば、ヘルシーで美味しく仕上がります。
サラダ: 野菜や海藻と組み合わせる事で、さらに栄養バランスが良くなります。

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