海藻類〚seaweed〛

海藻を日常的に食べる文化は世界的には少数ですが、日本を含めた東アジアの国々では古くから食文化に取り入れられています。
他の食品では摂りにくい栄養素を効率的に摂取できる点が、海藻の強みであり、様々な健康効果が期待できます。

海藻には豊富なビタミンとミネラル、そして食物繊維の他、野菜などでは殆ど摂ることが出来ない栄養素も多く含まれているため、世界の様々な国々でも次第に食事に取り入れられていく可能性があります。

【効果】

腸内環境を整えてデトックス

  • 海藻は低カロリーで食物繊維が豊富なため、ヘルシーなダイエット食材として世界的に注目されており、便秘の解消やデトックス効果が期待できます。

生活習慣病の予防

  • とても豊富なカルシウムやマグネシウムが歯や骨を強化する他、血圧を安定させて高血圧の予防にも貢献します。
  • 食物繊維が血糖値の上昇を抑えて、糖尿病予防にも貢献します。

海藻がほぼ唯一の自然な供給源であるヨウ素

  • 甲状腺ホルモンの主成分であり、エネルギー代謝や成長の促進などの効果があります。
    また、髪や肌、爪を美しく保つ効果も期待できます。

以下に、栄養価の高い代表的な海藻を紹介致します。

🟢緑藻類(りょくそうるい)

《 青のり 》

汽水域の浅瀬に生育する糸状の緑藻で、乾燥させて粉末状にして使用されます。
近年では養殖物が多く流通しています。
焼きそばやお好み焼き、たこ焼きなどの仕上げの具材として欠かせません。

🟤褐藻類(かっそうるい)

フコイダンとアルギン酸

  • 褐藻類には食物繊維の一種であるぬめり成分のフコイダンやアルギン酸がとても豊富に含まれています。
    これらが腸内の善玉菌を増やして腸内環境を改善してくれます。
  • フコイダンには抗ガン作用が有ります。
    ガン細胞を死滅させる他、正常な細胞を強化して免疫力を上げたり、ガン細胞が栄養を取り込むのを阻害したりします。
    また、抗ウイルス・抗細菌・抗アレルギー・抗炎症・抗酸化・美肌作用など、嬉しい効果がたくさん有ります。

フコキサンチン

  • 褐藻類にはカロテノイドの一種であるフコキサンチンもとても豊富に含まれています。
    脂肪の燃焼を促進して、肥満の予防に貢献します。

昆布こんぶ

昆布には旨味成分であるグルタミン酸が豊富に含まれています。
日本の昆布だしは旨味という概念を世に広めた食材の一つとされています。
だし汁や佃煮、昆布巻きなどに使われています。

若布わかめ

若布は生の状態では茶色っぽいですが、茹でると加熱によってフコキサンチン(褐色の色素)が壊れて葉緑素の緑色が目立つようになります。
実は、このフコキサンチンにも美容健康効果があります。
食感の良さから味噌汁やサラダに良く使われています。

🔴紅藻類(こうそうるい)

甘海苔あまのり

紅藻類アマノリ属の長く平たい海藻で、赤みのある「アサクサノリ」や黒っぽい「スサビノリ」が板海苔や佃煮の原料として養殖されています。
現在アサクサノリは絶滅危惧種ですが、おにぎりや巻き寿司には欠かせません。


🌀スピルリナって何?

突然ですが、皆さんはスピルリナをご存知でしょうか。
一言で言うと、「らせん状の超ミニサイズな」の事で、栄養満点のスーパーフードとして知られています。
シアノバクテリア(藍藻らんそう類)に分類され、光合成ができる細菌の仲間とされていて、約30億年前から生息していると言われている事から地球上で最初に酸素を作り始めた生命体とも言われています。
スピルリナは熱帯・亜熱帯のアルカリ性湖沼こしょうに生息していて、顕微鏡でのぞくとバネのような姿を観察する事ができます。
現代では培養液の中で人工的に繁殖したものが、商品として粉末やタブレットに加工されて販売されています。
そこで、食生活の乱れ易い現代を生きる私達にとって、スーパーフードとされるスピルリナにはどんな力があり、どの様な恩恵を私達にもたらしてくれるのか、本項ではスピルリナの魅力と将来性について少し探ってみました。

  • 地球環境に優しいタンパク源
    スピルリナは栄養価が非常に高いことから世界の栄養不足の解決に貢献できる可能性があり、未来のタンパク源として注目されています。
    牛や豚のような家畜に比べて圧倒的に水と飼料・土地・エネルギーの消費が少なく、環境負荷の少ない持続可能な食料源として、今後の人口増加に伴う食料危機の救世主になる可能性があります。
  • 優秀な栄養価の高さ
    スピルリナはたんぱく質(全体の約60〜70%)をはじめ、リン、鉄分、β-カロテン、ビタミンB群、クロロフィル、フィコシアニンなど、とにかく高栄養価。
    人類の健康を支える食品として、発展途上国の栄養失調対策や災害時の非常食の他、宇宙食にも応用されています。
  • 宇宙開発でも注目
    NASAやJAXAでは、宇宙での自給自足型食料システムの候補としてスピルリナを検討しています。
    スピルリナは酸素を生み出し、栄養を供給できるため、火星や月面基地での食料源になる未来がやって来るかもしれません。
  • 医療・美容への応用も拡大中
    抗酸化・抗炎症作用を持つフィコシアニンは、がん予防、免疫強化、老化防止などの研究が進行中。
    スキンケアやヘアケア商品への配合も進み、“藻コスメ”として注目されています。
  • 身体に優しい天然の着色料
    フィコシアニンは青い色素であり、天然由来の着色料として人気があります。
    (例:スピルリナ由来の青いラムネ、青いスイーツなど)

以上のように、現在スピルリナには未来のスーパーフードとして世界中から注目されている事がわかりました。
さらに味が改良されれば用途が広がり、魅力と将来性がより確かになると思われます。
この記事を通してスピルリナに興味を持たれた方は、試してみるのはいかがでしょうか?

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